ターゲティングとは?売れるターゲットを選ぶ方法

マーケティング基礎知識

商品やサービスを売るためには、誰を狙うのか=ターゲティングを適切に設定することが大切です。

本記事では、マーケティングの基本である「ターゲティング」とは何か、買ってくれるターゲットを選定する方法や、成功事例を解説していきます。

本記事を書いた人

リコッタ
リコッタ

大学でマーケティングを専攻し、花王や食べログでマーケティングに5年以上従事。多くの新製品や新規事業を立ち上げてきました。

ターゲティングとは?

ターゲティングとは、不特定多数の消費者の中から、同じ性質やニーズを持つグループ(セグメント)をターゲットとして設定することです。

セグメンテーションとターゲティング

例えば、市場・顧客分析で10-20代女性層に伸びしろがあることがわかれば、この層をターゲットとしたマーケティング戦略を立てるべきでしょう。この場合は、「10-20代女性」にターゲティングすることになります。

なぜターゲットを選ばないといけないのか

若手社員

なぜターゲットを選ばないといけないの?消費者全体をターゲットにした方が、売上が上がるのでは?

ターゲットとなる消費者は選ばないといけない、というのがマーケティングの基本的な考え方です。しかし、なぜターゲットを選ばなければならないのでしょうか?
それは、マーケティングにかけられるコストは限られているためです。

マーケティング予算をターゲット人数で割ったものが1人当たりのマーケティング予算となります。
例えば1億円のマーケティングコストがある場合、日本人全員をターゲットにすれば1人あたり約8,000円になります。

ここで、もしターゲットを絞って500万人にすれば、1人あたり20万円のコストをかけることができます。これは、全員をターゲットとしたときの25倍です。

マーケティング予算は限られているため、ターゲットを選ばず広くターゲットとすることで、1人当たりのマーケティングコストが低くなり、逆に売れなくなる可能性が高くなるのです。

また、ターゲットを広くすると訴求メッセージにエッジがなくなり、深く刺さりにくいというのもターゲットを選ぶべき理由の1つです。

例えば、柔軟剤には「柔らかい」「香りがいい」「抗菌効果がある」という3つが大きなニーズがあります。これをすべて満たそうとした場合、以下のような訴求になるでしょう。

「柔らかく仕上がって抗菌効果も高い、上質な香りの柔軟剤が登場」

なんだかよくわからなくなりますよね。訴求要素が多すぎることで、逆に刺さりにくくなってしまうのです。特に近年は嗜好の多様化が進み、全員をターゲットにすることはほぼ不可能でしょう。

ターゲットを絞ることで、1人1人にしっかりとマーケティングコストをかけることができ、ターゲットに深く訴求できるマーケティング戦略を展開できるのです。

ターゲティングの方法

では、どのように売れる可能性の高いターゲットを選べばよいのでしょうか。
まずは選ぶ前段階として、不特定多数の消費者を、同じ特性を持ったグループに分ける必要があります。

消費者の分け方:セグメンテーション

消費者を同じ属性をもったグループに分けることを、マーケティング用語で「セグメンテーション」といいます。

セグメンテーションの定義や手順については セグメンテーションとは?活用方法や分類軸の具体例を紹介で詳しく解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。

セグメンテーションとは?活用方法や分類軸の具体例を紹介
ターゲットを選ぶためにはセグメンテーションが必要です。本記事では、セグメンテーションとはなにか、セグメンテーションの具体的な分類軸について、基礎から詳しく解説しています。

売れるターゲットの選び方:8つの切り口

セグメンテーションに分けたあとは、魅力的なターゲットを選択(ターゲティング)していきます。どのようにターゲティングすればよいのか?選ぶ基準として、「6R」という指標があります。

  • 規模は十分か(Realistic Scale)
  • 成長性はあるか(Rate of Grow)
  • 競合の状況はどうか(Rival)
  • 優先することでメリットはあるか(Rank)
  • 到達する可能性は高いか(Reach)
  • 測定可能か(Response)

6Rの指標は一般的なのですが、抽象度が高く少しイメージが湧きにくいかもしれません。
そこで今回は実戦的な方法として、おすすめの8つの切り口を紹介します。

売上数の因数分解と、狙えるターゲットの切り口

前提知識として、一般的に売られているブランドの商品は、以下要素の掛け算で売上数量が決まります(上図参照)。

(ターゲット人口)×(認知率)×(配荷率)×(購入率)×(購入回数)×(購入個数)

つまり、これらの要素のうち、どれかの数字をあげることができれば売上は伸びることになります。

そして、そのポテンシャルを持つセグメントを探すというのが、今回紹介する『狙うべきターゲットを見つける』8つの方法です。

① 浸透率を増やす(Penetration)

自ブランドの浸透率を増やせるグループはいないかという切り口です。浸透率を高める余地のあるグループを見つけることで、有力なターゲットとなる可能性があります。

例えば冷凍食品「ザ★」シリーズは、他社が主婦層を狙っているのに対し、あえて男性をターゲットにすることで売り上げを大きく伸ばしました。

② 認知率を高める(Awareness)

自ブランドの認知率を高められるグループはいないかという切り口です。

認知率を上げられるセグメントがあれば、そのセグメントをターゲットとして施策を強化することで、ブランドが選択される確率が上がります。

③ 未使用者を減らす(Trial)

未使用者が多いグループがあれば、トライアルを高めることで売り上げに貢献する可能性があります。

例えば、「乾燥に悩んでいる」というセグメントの人からの自ブランド未使用者が多い場合、有力なターゲットとなる可能性があります。

④ リピートを高める

既存のユーザーの中で、リピート率を高められるセグメントはないかという切り口です。

例えば、ポイントカードや自社アプリなどを使うことで、次回リピートするモチベーションを高め、連続で自ブランドを消費させるように仕向けることができます。

⑤ 競合から奪う(Brand Switch)

競合ブランドの中でブランドスイッチする可能性のあるセグメントはいないかという切り口です。

例えば他社Aブランドのユーザーがよくブランドスイッチしていることが分かった場合、Aブランドのユーザーにヒアリングすることで、ブランドを頻繁に変えている理由がわかるかもしれません。

⑥ 購入頻度を上げる(Frequency)

既存のユーザーの中で、購入頻度を上げることのできるセグメントはいないかという切り口です。

例えば、ある飲食店でファミリー層の来店頻度が他のセグメントよりも少ない場合、来店頻度を高める施策を行えば売上拡大に直結します。

⑦ 消費量を増やす(Consumption)

既存のユーザーの中で1回あたりの消費量を増やすことができるセグメントはいないかという切り口です。

例えば、ミツカン「かんたん酢」はファミリー層向けに「煮物」「マリネ」など、かんたん酢をたっぷり使うアレンジレシピを紹介することで、消費量を増やしています。

⑧ 種類を増やす(Purchase Unit)

既存のユーザーの中で、商品の種類(SKU)を増やすことのできるセグメントはいないかという切り口です。展開する商品ラインナップが多い場合に有効です。

例えば化粧品においては、化粧水だけを買っているセグメントに対して、乳液や美容液なども勧めることで売り上げが拡大する可能性があります。

ターゲットが定まったら勝てるポジショニングを探そう

ターゲティングが設定できたら、次はそのターゲット市場で競合に勝てる土俵を探すために、『ポジショニング』を行いましょう。
過去ヒットした商品の多くは、この「ポジショニング」で成功しています。

ポジショニングについては、以下記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。

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ポジショニングとは、「競合に勝てる土俵を探すこと」です。本記事ではポジショニングとは何か、競合に勝てるポジショニングの探し方を、企業事例を用いながらわかりやすく解説します。

以上、ターゲティングとは何か、売れるターゲットを選ぶ方法について解説しました。

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