テレビCMの作り方を解説【CM制作の裏側を公開】

マーケティングのお仕事

テレビCMってどうやって作られているの?実際どれくらい費用ってかかるの?

今回はテレビCMの裏側に興味がある方、CM制作を考えている方へ、CMがどんな手順で作られているのか、どれくらい費用がかかるのかについて紹介していきます。

本記事を書いた人

リコッタ
リコッタ

大学でマーケティングを専攻し、花王や食べログでマーケティングに5年以上従事。スタイリング剤やヘアカラーのCMの企画進行も行ってきました。

テレビCMの作り方【具体的な手順】

テレビCMはターゲット層から広いブランド認知を獲得したり、ブランドイメージを醸成するのに非常に有効な手段です。

しかしながら効果がある分費用がかかるため、失敗すると多額の損害が出ることもあります。そのため、多くの関係者が関わり、時間をかけて議論を重ねながら完成度を高めていきます。

一例ですが、以下のような手順で作ることが多いです。

テレビCM制作の流れ

 

まず事業会社が誰に何を伝えたいのかを整理し、広告会社や制作会社に企画をオリエンします。

それを基に制作サイドは企画案を作ったりタレントの候補を出したりします。

企画とタレントが決まったら具体的に絵コンテに起こしていき、撮影・編集を経て完成します。
企画から完成まで4か月~6か月くらいかかることが多いです。

それぞれの手順について、もう少し詳しく紹介していきます。

① CMの要件整理

CMを出したいスポンサー企業は、誰に何を伝えたいのか、何を達成したいのかなどのCMの要件を整理します。

主に以下3つが要件整理のポイントです。

ターゲット層を明確にする【一番重要】

CMのターゲット層を明確にします。これだけ聞くとシンプルですが、ここが一番重要なポイントです。

例えば「20代女性」といったデモグラ情報だけではなく、普段どんな仕事をしているのか、または主婦なのか、どんな悩みがあるのか、どんな趣味嗜好があるのかなど、できるだけ具体的にしていきます。

なぜここまで具体的にするのかというと、「インサイト」を突くCMが一番効果的だからです。

「インサイト」というのは、本人も気づいていなかった深層心理のようなものです。テレビCMで「美味しい」とか当たり前のことを言われてもスーっと見逃してしまいますよね。

しかしながら、「そうそう実はこれが気になってたのよ!」というような、本人も自覚していないけど深層心理で思っていたポイントを突かれると思わず注目してしまいます。

例えばP&Gのファブリーズは、「部屋のニオイは実は布から出ていた」という新しい指摘で消費者インサイトを突いて新しい市場を確立し、今もトップシェアに君臨しています。

インサイトを突くCMを作るためには、ターゲット層を深く理解する必要があります。また、スポンサー企業だけでなく制作に関係する人すべてが理解するには、できるだけ明確に具体的に示すことが必要なのです。

CMだけではなく他の広告にも言えることですが、ターゲット層の明確化が一番重要といえます。

商品の何を伝えたいのか言語化する

例えば炭酸飲料のCMでも、パッケージを伝えたいのか、美味しさを伝えたいのか、炭酸のシュワッと感を伝えたいのかによってCMコンテンツの内容は大きく変わります。

スポンサー企業は、商品の狙いやコンセプトを基に、伝えたいことを言語化して整理します。
入れたいコピーライティングや、メッセージなども要件に入れていきます。

CMの目標と予算を定める

多額の費用をかけて行うCM制作ですから、目標は明確にする必要があります。
例えばシェア〇%アップなどといった目標を立て、可能であれば制作サイドとも共有します。

また、予算も明確にしておきます。今後のコンテンツ制作やタレント選定に関わるからです。

② オリエンテーション

オリエンテーションとは、企画の意図や目的を広告会社や制作会社に伝える初回の場のことをいいます。「オリエン」と略されることが多いです。

主に以下2つがオリエンで留意したいポイントです。

企画要件を誰が見てもわかるように一枚シートにまとめる

スポンサー企業が一番ターゲット層や達成したいことを理解しています。しかしながら制作サイドはまだ何も知らない状態です。

オリエンの場では、説明の前後で一枚に概要をまとめたシートを入れるようにします。進行時にズレがないかをすぐに確認できるからです。

商品の特長を伝える

主役である商品の特長や、特に伝えたい点について関係者に共有します。

もしその商品で初めてのCM制作であれば、可能な限り多くの関係者に商品やサービスをバラまきましょう。

説明だけではなく実際に使ってもらうことが商品理解の一番の近道です。
商品に関して関係者間でのばらつきや認識のズレが少なくなり、その後の進行がしやすくなります。

③ 企画案・タレント決め

好き嫌いではなく、要件を一番満たす企画やタレントにする

オリエンを受けた制作サイドが、具体的な企画内容や、起用タレントについてスポンサー企業に提案します。

提案をベースに議論を重ねながら、スポンサー企業が企画案とタレントを決めていきます。

具体的な企画内容やタレントの顔が見えてきてイメージが湧いてくるステップです。楽しい反面、好みが分かれたりして議論が発散したりもします。

好き嫌いではなく、企画要件を一番満たせるのはどれか、という視点で議論することが大切になります。

④ 絵コンテ制作

絵コンテとはカットごとに映り方やセリフ、テロップなどを絵に起こしていくことをいいます。主に制作会社が作ったものを基にブラッシュアップします。

以下のようなものです。

引用:宣伝会議デジタルマガジン ブレーン

絵コンテがほぼ完成形なので、細かいところまでチェックを繰り返す

絵コンテを基に撮影するので、絵コンテを決めたあとに大幅な変更は基本できません。

絵コンテがほぼ完成形なので、セリフ内容やタレントの映り方、商品カットなど細かく確認をしながらブラッシュアップしていきます。

また、セリフやテロップについては薬事法や景表法に違反していないかなど、関連部門に事前に確認しておく必要があります。

短い時間で伝わるかが一番大切

テレビCMは15秒がベースとなるので、言いたいことを盛りすぎると逆に何も伝わらなくなります。

実際に動画になったイメージを持ちながら、短い時間で伝えたいことがきちんと伝わるか、という視点を忘れずに絵コンテを完成させていくことが大切です。

⑤ 撮影・編集

ここまで来てやっと撮影です。撮影ではスポンサー企業も同席し、見せたい商品やサービスがきれいに映っているか、絵コンテ通りに撮影できているかを確認します。

特にスタイリング剤などのヘアケア商材だと、商品が保証できるヘアスタイルになっているか、髪は綺麗に映っているかなど、細かくスポンサー企業が確認しながら撮影が進みます。
たった15秒のCMを撮るのに何時間もかかることもよくあります。

無事撮影が終了したらテロップやブランドロゴを入れたりなどの編集を行います。

⑥ 完成

無事完成したら、スポンサー企業の幹部なども含め試写を行い、承認を得られたら完成となります。長い道のりでした。

できたCMを流すのにかかる費用

さて、ここまで長い道のりでやっと完成したCMですが、テレビで流さないと意味がありません。
実際どれくらいの費用がかかるのでしょうか。

視聴率20%のテレビでCM1本流すのに約200万円かかる

テレビCMの発注単位として、「GRP」という単位が使われます。GRPとは「Gross Rating Point」の略で、CM1本ごとの視聴率の合計です。

細かい説明は複雑(本当は番組内か番組間とか色んな要件がある等)なのでざっくりとだけお伝えしますが、1GRP(=視聴率1%)流すのに10万円かかるといわれています。
よって視聴率20%の番組で1本流すのに、約200万円です。

しかしながら1回CMを見ただけだとあまり記憶に残りませんよね。CMの性質上、一定期間に集中して流すことで広い認知につながります。

一定の認知を獲得するには、制作費よりもテレビで流す費用(媒体費)の方が高いといわれています。

目標とするKPIに対して、媒体費も織り込みで予算を設定しておく必要があります。

まとめ

どうやってCMが作られているか、CMの作り方や制作の裏側を紹介しました。

テレビCMは、広く認知を広げたりブランドイメージの醸成や向上に有効な手段です。

しかしながら決して安くはない費用がかかるので、誰に何を伝えたいのかを明確にして、それに沿ったコンテンツを協力会社と作っていきましょう。

テレビCMは狙ったターゲット層に刺されば、非常に大きな効果を見込めます。
テレビCM制作を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

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