売り方を変えて売上を2倍にしたワークマンのヒット術

ヒット商品のマーケティング

近年メディアに取り上げられることが増えたワークマン。

もともと作業服専門店として“プロの職人”を相手にしてきた同社が、その高い機能性と価格の安さが一般客からも人気を獲得。

出店を加速し、国内店舗数ではあのユニクロを抜く900店舗を超え、2021年通期では営業総収入1,000億円を突破10期連続で最高益を更新しました。

ワークマン公式サイト

本記事では、なぜ「ワークマン」が成功したのか、マーケティングの観点からヒットの理由を解明し、皆様のアイディアのヒントになるトピックスをお伝えします。

本記事を書いた人

リコッタ
リコッタ

大学でマーケティングを専攻し、花王や食べログでマーケティングに5年以上従事。多くの新製品や新規事業を立ち上げてきました。


『ワークマン』がヒットした理由

ワークマンがヒットした背景には、売り方やマーケティングを変えて“職人のためのワークマン”から“みんなのワークマン”に変貌した戦略がありました。

本記事では、以下3つのポイントから解説しています。

『ワークマン』がヒットした3つのポイント

  • 職人向け作業服店がアウトドアショップに変貌!売り方とターゲットの変更
  • 若者や女性を取り込んだ「アンバサダーマーケティング」
  • スーツやジュニア向けまで揃えたPBの強化

ヒットの理由① 職人向け作業服店がアウトドアショップに変貌!売り方とターゲットの変更

ワークマンは、もともと工事現場や工場で働く職人向けに、低価格で機能性の高い作業服を販売していました。

そんなワークマンが、18年より出店を加速したのが、職人向けから一般客向けに売り方を変えた新業態「ワークマンプラス」です。

ここからワークマンの快進撃が始まります

職人が普段着でもワークマンを愛用していることからヒントを得た同社は、高い機能性とコストパフォーマンスは一般大衆にも受け入れ性があると考えたのです。

出店を加速するワークマンプラス(店舗イメージ)

 画像:ワークマン

実はワークマンプラスに並んでいる商品はすべて既存のワークマンで扱っているアイテム。

一般客向け商品を切り出したり、マネキンやPOPをうまく使ったり、店に入りやすいようレイアウトを変えるなど、ターゲットに合わせて売り方を変えることで、売り上げを既存店の2倍にしてみせたのです。

ワークマンプラスを強化した2018年以降、大きく売上を伸ばしているのがわかる

画像:ワークマン IR情報

変えたのは、ターゲットと売り方

今までと同じ商品も、職人向けから一般客向けにシフトチェンジして、売り方を変えて販売することで、大ヒットを生みました。

多くのマーケティングや販促でヒントになる成功事例です。

同じ商品でも、ターゲットや売り方を変えることで思わぬヒットを生むことがある

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ヒットの理由② 若者や女性を取り込んだ「アンバサダーマーケティング」

ワークマンは、同社商品を愛用する”ワークマンマニア”のインフルエンサーを起用し、商品開発への参加や自発的な情報発信を促す「アンバサダーマーケティング」を2019年より強化してきました。

アンバサダーの選定基準は「Win-Winな関係」。アンバサダーに携わってもらった商品がどれだけ売れても、ワークマン側からは1円も報酬を渡していないそう。

アンバサダーに選ばれた人々はもともとワークマンに対して熱い思いを持っているため、先駆けて商品を使えたり、自分の意見が製品に反映されることにやりがいを見出しているのです。

アンバサダーマーケティングを早期から行うことで、若者や女性のニーズを捉えた商品をリリースすることや、SNS上での話題づくりへとつながりました。

2020年には横浜みなとみらいに初の女性向け店舗「#ワークマン女子」をオープン。

おしゃれな品揃えやインスタ映えする撮影スポットなどがSNS投稿を促し、一躍話題となりましたが、これもアンバサダーの知見を取り入れたものでした。

 初の女性向け店舗を展開「#ワークマン女子」

画像:ワークマン

もともとは作業服専門だったワークマンが一躍ブランドイメージを一新できたのは、このアンバサダーの知見や発信力をうまく活用しているところも大きな要因でしょう。

自分たちのファンを巻き込むことで、社内にない知見や発信力を得られる

ヒットの理由③ スーツやジュニア向けまで揃えたPBの強化

ワークマンが力を入れてきたのが、デザイン、機能、価格で競争力を高めたPB(プライベートブランド)です。

一般客への人気拡大を受け、2017年にPBを用途別にブランド化を行い、PBを強化してきました。

今年はリモートワーク需要を受け、裏返すと作業着にもなる4,800円のスーツ「リバーシブルワークスーツ」を発売し話題になりました。

女性衣料ではストレッチやはっ水・防水など機能性を高めた製品の品ぞろえを拡充し、ジュニア向けアイテムなどの展開により客層を拡大。

2021年3月現在で、PB商品は1,757アイテムとなり、PB商品の売上高は前期比39.4%増の872億円まで成長させたのです。

【ワークマン 2021春夏コレクション】裏返すと作業着にもなる高機能スーツや、女性・ジュニア向けなど幅広い客層に対応

画像:ワークマン プレスリリース

商品開発においては、よりターゲットに近い感覚を持っているアンバサダーと協働して開発することにも力を入れています。

おしゃれでありながら機能性に優れ、しかも低価格。

アンバサダーも巻き込みながら、魅力的な商品を実現するPBの商品力が、多くの消費者を引き付ける理由でしょう。

幅広いニーズを取り込むPBの商品力が、お店に多くのお客を引き寄せる

『ワークマン』 ヒットの理由まとめ

以上をまとめると、ワークマンがヒットした理由は以下3点と考えられます。

『ワークマン』がヒットした3つのポイント

  • 職人向け作業服店がアウトドアショップに変貌!売り方とターゲットの変更
  • 若者や女性を取り込んだ「アンバサダーマーケティング」
  • スーツやジュニア向けまで揃えたPBの強化

こんな視点でワークマンを見てみると、より楽しめるのではないでしょうか。

以上、ワークマンがなぜヒットしたのか、ヒットの理由について分析しました。

 

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