若者を呼ぶ集客基地へ SNSで話題のファミマ限定コスメ「sopo」のヒット戦略

ヒット商品のマーケティング

2020年11月に、コンビニ大手ファミリーマートが新たにコンビニ限定のコスメブランド「sopo(ソポ)」を立ち上げました。

ファミリーマート限定コスメブランド「sopo(ソポ)」

画像:ファミリーマート プレスリリース

発売時は「3 in 1 アイブロウ」(2色、各1,250円・税抜以下同)、「カラーアイライナー」(5色、各900円)、「カラーマスカラ」(5色、各850円)の3アイテムを展開。

2021年春夏には「クッションファンデ―ション」(3色、各1,650円)、「パウダー&ライナー」(4色、各1,150円)、カラーマスカラの新色2色を追加しました。

10代~20代女性に人気を集めるコスメECサイト「NOIN」を運営するノイン株式会社がプロデュースを手掛けスタートした同ブランドは、発売4か月で30万本を突破する人気ぶりに。SNSでは商品を探す声が相次ぎました。

本記事では、なぜsopoが人気を集めたのか、そのヒットの仕掛けをマーケティングの観点から分析し、皆様のアイディアのヒントになるトピックスをお伝えします。

本記事を書いた人

リコッタ
リコッタ

大学でマーケティングを専攻し、花王や食べログでマーケティングに5年以上従事。多くの新製品や新規事業を立ち上げてきました。

sopo(ソポ)がヒットした理由

sopoがヒットした背景には、従来のコンビニコスメの常識を変えた発想の転換がありました。

本記事では、以下3つのポイントから解説しています。

『sopo』がヒットした3つのポイント

  • コスメを「試す」という新たな価値への転換
  • コンビニと若者を繋ぐ NOINとのコラボレーション
  • 郊外や地方まで網羅するファミマの販売網

ヒットの理由① コスメを「試す」という新たな価値への転換

化粧品を買う人の多くは、主にドラッグストアや百貨店で購入しているでしょう。

実際コンビニで化粧品を買う人の多くは、旅行や外泊のときの緊急需要対応用に買うことが主で、化粧水など基礎化粧品のミニサイズなどを必要なときだけ買うということがほとんど。コンビニメイクの売上は伸び悩んでいました。

一方で化粧品業界を見ると、コロナ禍で百貨店や都心部になかなかいけず、新しい化粧品を試しづらいという世の流れもありました。

そこで、コンビニと化粧品を求めるユーザー双方の課題を解決する、新たなアイデアを打ち立てます。
それが「緊急需要」から「お試し需要」への発想の転換でした。

「緊急のときに買う」という限定的なニーズから、「新しいものを試せる」「流行っているものに冒険してみる」というトライアルニーズへと再設計することで、顧客の来客頻度と購入点数の向上を狙ったのです。

sopoのコンセプトは「試してみたかったを叶えるコスメ」。ラインナップを見ると、マスカラやアイライナーは定番色の黒がありません

消費者が「気になってはいたけど、1本買うにはハードルが高い」と感じる色味やアイテムを取り揃えるなど、攻めたラインナップにしています。

sopoリキッドアイライナー。定番色以外の攻めたカラーバリエーションが特徴

画像:ノイン株式会社 プレスリリース

さらに小さめの容量や求めやすい価格設定も、ユーザーニーズを押さえていました。

マスカラなどのメイク品は、一度買うと何か月も同じものを使い続ける人が多く、定番色以外のものを買うには勇気がいるもの。

外出自粛の今、定番色以外のトレンドアイテムを、トライアルしやすい容量・価格で取り揃えることで、「ちょっと冒険してみようかな」というお試し需要につながりました。

コスメを「試す」という新たな価値へ転換したことで、新たな来店や購入につなげたのです。

あえて王道アイテムから外れることで、ユーザーの「冒険したい」ニーズを満たしてヒット

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ヒットの理由② コンビニと若者を繋ぐ NOINとのコラボレーション

sopoでは、企画から生産までを、国内最大級のコスメECサイト「NOIN」を運営するノイン株式会社が手がけています。

コンビニの既存顧客は40代~50代などの層が多く、ファミリーマートでは新たに若い世代を獲得したいと考えていました。

そこでファミリーマートは、ノインに全面プロデュースを依頼。
若年層が主なユーザーであるノインには、売れ筋商品やユーザーニーズへの見識があります。

トレンド感あるカラー、若年層にも手に取りやすい価格帯、人に勧めたくなる品質感。
これらはノインの知見と商品開発へのこだわりがなければ実現できなかったでしょう。

パッケージデザインにも工夫が光っています。
情報をそぎ落としたシンプルなデザインを採用し、外箱にはNOINで使えるクーポンへリンクするQRコードをつけて、NOINのECサイトへ送客できるようにしました。

sopo カラーマスカラ パッケージデザイン

画像:sopo公式instagram

NOINのプラットフォームを上手く活用したOMO(Online Merges with Offline:オンラインとオフラインの垣根をなくす)の仕掛けもユーザー心理を捉えています。

獲得したいターゲット層とカテゴリーを熟知したNOINとのコラボが、sopoのヒットへとつながりました。

自分だけでまかなうのではなく、ターゲット層や業界について詳しい第三者と組むことで大きな成果が得られる

ヒットの理由③ 郊外や地方まで網羅するファミマの販売網

sopoの商品は、全国のファミリーマートのほぼ全店舗16,600店舗で販売されています。
この広い販売網が、地方や郊外の消費者が抱えていたある課題を解決しました。

それは「新しい化粧品をなかなか買えない」というものです。

SNS時代で情報に地域差はないものの、地方では百貨店が続々と閉店し、郊外に住む人はなかなか買い物にいけないという現状があります。

特に化粧品は試してみないとわからない特性もあり、直接店舗で見て買いたいという人も多いカテゴリー。流行りものを試したいけど買えないという人も少なくありません。

どこにでもあるコンビニだからこそ化粧品を買うのにちょうどいい。
その価値に気付いたファミマの戦略が、コンビニの化粧品カテゴリーの可能性を広げたのです。

商品自体だけでなく、販路や営業網を活かすことで新たな売上につながることがある

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『sopo(ソポ)』ヒットの理由まとめ

以上をまとめると、『sopo』がヒットした理由は以下3点と考えられます。

『sopo』がヒットした3つのポイント

  • コスメを「試す」という新たな価値への転換
  • コンビニと若者を繋ぐ NOINとのコラボレーション
  • 郊外や地方まで網羅するファミマの販売網

業界の当たり前から脱却した発想が光るヒットでしたね。

世に出ていないアイデアはまだまだ眠っています。この機会にぜひヒット商品に触れて、アイデアのヒントを探してみてください。

以上、『sopo』がヒットした理由について分析しました。

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