【ヒット商品のマーケティング事例】小さく始めて大きく成長した「SHIRO」の戦略

ヒット商品のマーケティング

皆さんは「SHIRO」というブランドを知っていますか?

SHIROオフィシャルサイト
自分たちが使いたいものを。SHIROのこだわりの素材から生まれるMAKE UP COLLECTION(メイクアップ/コスメティックス)、SKIN CARE(スキンケア)、FREGRANCE(フレグランス)。地球の生命力を、隅々まで、その一滴に。食のセレクト SHIRO LIFE。トータルビューティーサロン SHIRO ...

『SHIRO』は自然素材にこだわった化粧品ブランドです。2009年に前身ブランド「LAUREL」として北海道で誕生し、2015年に現ブランドとなりました。

化粧品メーカーがコロナ禍で苦戦を強いられる中、SHIROは大々的な広告を入れていないにも関わらず、20年3~12月の売り上げ前年同期比154.3%*という驚異的な数字を記録しています。

*日経XTREND「コロナ禍でも150%成長 新興コスメブランドSHIRO、ヒットの秘密」より

今回は、北海道で小さく始まった「SHIRO」がなぜ全国でここまで売れたのか、ヒットの背景にあるマーケティング戦略を解明し、皆様のお仕事に役立つトピックをお伝えできればと思います。

本記事を書いた人

リコッタ
リコッタ

大学でマーケティングを専攻し、花王や食べログでマーケティングに5年以上従事。多くの新製品や新規事業を立ち上げてきました。

『SHIRO(シロ)』が成功した理由

SHIROは前進ブランド「LAUREL(ローレル)」として2009年に北海道でスタートしました。

ブランド設立から12年で、直営店は国内26店舗、海外3店舗に拡大。フレグランス系商品を筆頭に「ナチュラル」「エシカル」といった時代に合った商品・サービス提案を続け、20代、30代を中心に人気を獲得。2015年~2020年で年平均成長率4.8%*という驚異の成長を遂げています。

*株式会社シロ「データで読み解くSHIROで働くこと」より

いわば北海道で”ひっそりと”始まったSHIROが、なぜ全国で人気のブランドへ成長したのか、マーケティング観点から着目すべき3つのポイントがありました。

 『SHIRO』が成功した3つのポイント

  • 着実にファンを増やした「One-to-one マーケティング」
  • じわじわ認知を広げた「ブランディング戦略」
  • 顧客を飽きさせない「商品展開」のスピード感

ヒットの理由① 着実にファンを増やした「One-to-one マーケティング」

SHIROが大々的な広告を入れずにここまでファンを増やすことができたのは、消費者に広くアピールするコミュニケーションではなく、人ひとりにアプローチしてファンを作る「One-to-one マーケティング」の戦略をとったことが要因の1つでしょう。

One-to-one マーケティングとは、従来の多数をターゲットとするマスマーケティングに対して、顧客一人ひとりを意識し、商品の販売やアフターサービスなど、顧客の体験を向上するマーケティング手法をいいます。

SHIROの前身ブランド「LAUREL」は、2009年に札幌ステラプレイスに開いた小さな直営店から始まり、興味を持ってくれた人に接客して理解してもらうという「接客販売」のスタイルでした。

SHIROのターゲットは「少しお金をかけても自分に合った良いものを使いたい」と思う20-30代女性がメイン。
特に化粧品は試してみないと自分に合うかどうかわかりにくいという特性もあり、商品の性能やメリットを正しく伝達できる接客販売は、ターゲットニーズにも合致していたのでしょう。

今年1月には「SHIRO Membership Program」を開始。顧客は自分に合った商品の提案を受けたり、会員ステージによって限定製品を手に入れるなどの特典を得ることができます。顧客とのつながりを強化するための施策です。

SHIRO Membership Program

SHIRO Membership Program|SHIRO(シロ)オフィシャルサイト
自分たちが使いたいものを。SHIROのこだわりの素材から生まれるMAKE UP COLLECTION(メイクアップ/コスメティックス)、SKIN CARE(スキンケア)、FREGRANCE(フレグランス)。地球の生命力を、隅々まで、その一滴に。食のセレクト SHIRO LIFE。トータルビューティーサロン SHIRO ...

販路を広げて売上を確保するよりも、直営店に販路を絞り顧客一人ひとりに合わせた提案を行うことで「コアなファン」を増やし、そのファンが次の顧客を連れてくるという循環を作り出すことに成功しました。

ヒットの理由② じわじわ認知を広げた「ブランディング戦略」

SHIROがOne-to-one マーケティングに成功できたのは、ブランディングを徹底してきたことにあります。

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「ブランディングって何?自社のブランド力を高めたいけどどうすればいいの?」という方へ、ブランディングの基本的な意味と進め方についてわかりやすくまとめています。

SHIROが強いブランドを形成できた背景には、以下2点のポイントがあります。

時代を先読みした差別化

消費者の心に強いブランドイメージを醸成するには、そのブランドならではの「価値」があることが必須要件です。

例えば、「無印良品」というブランド名を聞くと、「シンプル」「安い」「無駄のない」といったイメージを想起するでしょう。強いブランドには、必ずそのブランドならではの「価値」があり、それが消費者に伝わっています。

そしてブランドならではの価値には、他社とは一線を画す特徴が必要です。これをマーケティング用語で「差別化」といいます。

同ブランドの強みは、時代を先読みした価値提案による差別化にあります。

「ナチュラル」「エシカル」「シンプル」といった今ではトレンドとなっている価値を、トレンドになる前の早期から先読みして提案してきました。

また、SHIROはセルフ化粧品と比較すると高価格でありながら、デパートコスメと比較すると安価な2,000円前後という中価格帯で勝負しました。これが二極化の価格帯の間にうまくはまりました

時代を先読みした新しい価値提案と、二極化の価格帯の間にうまく提案したことで、他社にはない差別化に成功したのです。

「らしさ」を浸透させたSNS運用

SHIROは立ち上げ早期からSNSの運用を行っています。

SNSを通じて「シンプル」「ナチュラル」な世界観やコンセプトを一貫して伝達し続けることで、「SHIROらしさ」を徐々に形成してきました。また、シンプルでナチュラルな世界観は、副次的にユーザーによるSNSでの自発的な投稿にもつながっています

また最近ではSNS上での交流を通じて、ファンへの価値伝達に力を入れています。
インスタライブではマスクによる肌荒れ対策やアイメイクの方法などの動画を週1回ほどのペースで配信し、ユーザーへのエンゲージメントを高めています。

SHIRO インスタライブ

 

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他社にはない同ブランドの価値を、店頭やSNSを通じて一貫して提案し続けたことが、今日のSHIROブランド形成につながったのでしょう。

ヒットの理由③ 顧客を飽きさせない「商品展開」のスピード感

SHIROは年に163個*と、2日に1個のペースで新商品を展開しています。これは、化粧品の1ブランドとしては異例のスピード感です。

もともと同社は1989年に創業し、無印良品などのOEMを請け負っていました。自社製造開発による商品開発力を活かし、常に新商品を投入し続けています。

現在では、スキンケア、メイクアップ、ルームフレグランスなど約300アイテムを展開し、男性のユーザーも店頭で多く見かけるようになりました。

新しい話題を絶やさない商品展開のスピード感によって、顧客を飽きさせることなく、心を掴んでいるのではないでしょうか。

*株式会社シロ「データで読み解くSHIROで働くこと」より

『SHIRO(シロ)』が成功した理由まとめ

以上をまとめると、SHIRO成功の理由は以下3点と考えられます。

『SHIRO』が成功した3つのポイント

  • 着実にファンを増やした「One-to-one マーケティング」
  • じわじわ認知を広げた「ブランディング戦略」
  • 顧客を飽きさせない「商品展開」のスピード感

小さく始めて大きく育てたSHIROのマーケティングは、多くの企業やサービスで参考になるヒントがあるのではないでしょうか。

以上、SHIRO成功の背景にあるマーケティング戦略について分析しました。

他にもヒット商品の裏側なども解説していますので、ぜひアイデアの参考にしてみて下さいね。

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