【ヒット商品のマーケティング】NONIOはなぜ売れた?お手本すぎる若者心理の捉え方

ヒット商品のマーケティング

2017年に発売され、20~30代の若年層を取り込みヒットした、ライオンのオーラルケアブランド「NONIO」。

これまで口腔ケアに無関心だった若者を捉え、直後は品薄になるほどの売れ行きとなりました。

特に洗口液は、発売翌年の2018年1~3月の計画比で約1.7倍。若年層の購入比率が高く、さらに6割以上の新規ユーザーを獲得。現在もラインナップを続々増やし、オーラルケアの市場拡大に貢献しています。

NONIO

画像:ライオン プレスリリース

本記事では、なぜNONIOが若年層を捉えヒットしたのか、その理由をマーケティング観点から分析し、皆様のアイデアのヒントになるトピックスをお伝えします。

本記事を書いた人

リコッタ
リコッタ

大学でマーケティングを専攻し、花王や食べログでマーケティングに5年以上従事。多くの新製品や新規事業を立ち上げてきました。

『NONIO(ノニオ)』がヒットした理由

NONIOがヒットしたのは、若年層の価値観を上手く捉え、的確なマーケティングを行ったことにありました。

本記事では、以下3つのポイントから解説しています。

『NONIO(ノニオ)』が成功した3つのポイント

  • ターゲットインサイトを捉えた「口臭」特化
  • 若者の共感を呼んだ“情緒価値”訴求
  • ロゴを上手く使ったシンプルなパッケージデザイン

ヒットの理由① ターゲットインサイトを捉えた「口臭」特化

ライオンは長年「予防歯科」という観点でずっと啓蒙を進めてきましたが、自分が使っている歯磨き粉の名前もいえない人や、マウスウォッシュを使わない人が多い状況でした。

そこで、商品開発にあたり20~30代のターゲットの心理を改めて調査。
すると、「目立ちたくない」「周囲と違うことをやりたくない」「嫌われたくない」と答える人が多く、自己主張をあまりしたがらない傾向があることが判明しました。

さらに、嫌われたくないという思いから、最も気をつけていることが「口臭」ということがわかったのです。

そこで、従来の虫歯や歯周病予防ではなく、口臭予防をコンセプトにした商品開発を決定。

発売当時、市場には若者向けの口臭対策ケアがほとんどなく、「口臭対策」に特化することでコンセプトがわかりやすく、かつ今までにない差別化となったのです。

あえてオーラルケアに無関心だった若年層を徹底的に調査し、「嫌われたくないから口臭を気にしている」というインサイトを捉えたことが、大きな差別化につながっています。

他社がターゲットにしていない層をとことん深堀してインサイトを発見。そこを突くことで差別化に成功

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ヒットの理由② 若者の共感を呼んだ“生活価値”訴求

NONIOのプロモーションでは、科学的な口臭予防という「機能価値」をあえて抑え、使うことで前向きになれるという「生活価値」を訴求しています。

プロモーションのテーマは「ひらけ、自分」。

テレビCMでは、女性に人気のローラを起用し、出演する様々な人たちが顔を近づけて話すシーンなどを中心に展開。

「口臭予防によって安心して人と話せる」というポジティブなメッセージで、生活価値への気付きを促しました。

 2017年発売時コミュニケーション



像:日経クロストレンド「ライオンNONIOが「嫌われたくない」若者の心理を捉えたワケ

若者からすると、「口臭予防」と全面に訴求されるブランドを買うのはなんだか恥ずかしいもの。
さらにブランドへの「共感」を大切にする若者にとって、機能ばかりを押し付けられるブランドではあまり好意的に受け止められなかったでしょう。

あえて機能価値を前面に出さず、生活価値に重きを置いたプロモーション戦略が、若者の共感を呼びヒットにつながりました。

「安心して人と話せる」というポジティブな生活価値の訴求によって、若者から高く受け入れられた

ヒットの理由③ ロゴを上手く使ったシンプルなパッケージデザイン

NONIOはそのシンプルなパッケージも好評です。
機能訴求が目立つ競合商品とは一線を画す、シンプルかつスタイリッシュなデザインから、Instagramなどにも写真が多数アップされました。

NONIOマウスウォッシュ〈クリアハーブミント〉(Amazon外部リンク)

最近は情報が多いデザインよりも、生活に馴染むシンプルで洗練されたデザインが若者からの受け入れ性が高い傾向があります。
しかし一方で、シンプルすぎると何者かが伝わらないというリスクもあります。

そこで、NONIOはあえて機能を前面に押さなかったプロモーションにおいても、ロゴの「O」を口に見立て、キャストの口元に当てることで上手く記憶に残すという戦略をとっています。
さらに、“口元”のロゴから「口臭予防」も連想されるという仕掛けとなっています。

2021年春新プロモーション メインビジュアル

画像:ライオン プレスリリース

ロゴを上手く使うことで、シンプルさと価値伝達の両方を担う、若者の価値観に合ったパッケージデザインを実現しているのです。

このパッケージ戦略も、若者からの支持を集めた大きな要因でしょう。

ターゲットが好むものと、伝えたいことのバランスを上手くとったパッケージデザインで成功

『NONIO(ノニオ)』ヒットの理由 まとめ

以上をまとめると、NONIOが売れた理由は以下3点と考えられます。

『NONIO(ノニオ)』が成功した3つのポイント

  • ターゲットインサイトを捉えた「口臭」特化
  • 若者の共感を呼んだ“情緒価値”訴求
  • ロゴを上手く使ったシンプルなパッケージデザイン

オーラルケアに無関心だった若年層の価値観を捉え、うまくフィットさせることで新たな消費を促すというお手本のようなヒット商品でした。

他にもヒット商品の裏側なども解説していますので、ぜひアイデアの参考にしてみて下さい。

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