なぜ韓国からトレンドが生まれるのか|若者が韓国コスメにハマる理由

ヒット商品のマーケティング

昨今、若者向けのメディアや雑誌の見出しには、韓国トレンドやK-POPアイドルに関する話題がしばしば並んでいます。

マイナビティーンズが発表した「ティーンズが選ぶ2020年に流行ったモノ」のランキングでは、10つのうち「rom&nd」「CLIOアイシャドウパレット」「チーズキンパ」という3ワードが韓国由来のものとなっており、メイク系に関しては韓国ブランドのみがランクインする結果となりました。

マイナビティーンズラボ「ティーンズが選ぶ2020年に流行ったモノ」

画像:マイナビ プレスリリース

現在は「第3次韓流ブーム」といわれており、ブームの中心にいるのは10代~20代の若年層世代。

特にメイク品は人気が高く、今や外資系ブランドや国内ブランドも販売する「クッションファンデ」や「リップティント」といった人気アイテムも実は韓国が発祥です。

本記事では、なぜ韓国メイクがいまの若者たちのトレンドを作っているのか、マーケティング観点から3つの視点で分析していきます。

本記事を書いた人

リコッタ
リコッタ

大学でマーケティングを専攻し、花王や食べログでマーケティングに5年以上従事。多くの新製品や新規事業を立ち上げてきました。

韓国コスメが若者から人気を集める3つの理由

理由① 世界からみてもSNS先進国の韓国

意外と知られていませんが、韓国は世界的に見てもインターネットがいち早く普及した国の一つです。

1997年のアジア通貨危機で経済に打撃を受けた韓国は、経済再生としてIT産業振興を掲げ、1999年以降インフラの整備やベンチャー企業の育成、国民へのパソコンの普及など積極的に進めてきました。

そんな韓国内では、SNSが世界的に流行する前から、独自のSNSやブログサービスが若者から人気を集めていました。

Facebookが初めてリリースされた2008年には、当時韓国SNSで最も人気だったCyworld(サイワールド)の会員数は既に2000万人を突破していました。
韓国の総人口が約5,000万人であることを考えると、いかにSNSがいち早く普及していたかがよくわかります。

日本ではCMが主な広告手法であった中、韓国のプロダクトはWEB・SNSマーケティングも重視されるようになっていきます。

その結果、SNSでどうすれば可愛く映るか、どんな商品だとSNSでシェアしたくなるのかといった「SNS映え」のノウハウが、世界に先駆けて蓄積されていったのです。

ちなみに、自撮り写真をアレンジしたり可愛くする(盛れる)カメラアプリ「SNOW」も韓国のベンチャー企業から生まれました。

こういった「SNS映え」を追求している韓国コスメは、日本の若者のツボを押さえています。

例えば、エチュードハウスが2017年に発売した「ディアダーリン ウォータージェルティント」は、そのアイスのような見た目のデザイン性から「アイスティント」としてInstagramで話題となりました。

通称「アイスティント」は機能のみならずその見た目のポップさからSNSで人気に

画像:アモーレパシフィックジャパン プレスリリース

「SNS映え」に特化した韓国コスメが、日本の若年層の心を捉えたのです。

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理由② 国内の競争環境が生んだコスパの高さ

韓国コスメといえば、コストパフォーマンスの高さも人気の理由です。

学生も購入しやすい1000円~2000円台の価格帯のアイテムが多く取り揃えられており、また安いだけではなくその品質の高さも定評があります。

このコスパの高さの背景には、韓国におけるメーカーの競争環境があります。

日本では化粧品開発や小ロットでの生産が難しいことから、化粧品業界への新規参入は容易ではありません。

一方、韓国には未だ多くの町工場が残っており、小ロットで化粧品の製造を請負い、許認可までサポートしてくれるOEMメーカーが多く存在しています。豊富な資金や化粧品製造の知識がなくても、アイディアをすぐ形にすることができるのです。

知識や資金が少なくても参入可能ということは、当然競合は多くなります。厳しい競争環境では弱きものは淘汰され、よりよい商品・サービスを生み出します。

その結果、コストパフォーマンスの高いコスメブランドが生き残っているのです。

また若者の参入が増えることで、今までにはないアイデアや世界観の商品が次々と生まれています。

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理由③ 10代の「憧れ」を生み出す韓国カルチャー

韓国の女性アイドルTWICEやBTS(防弾少年団)の知名度が急上昇したのも、韓国メイク人気が高まった要因です。

K-POPの人気から、韓国ファッションやメイクにも注目が集まるようになりました。

日本のアイドルは「応援」するというのがファンのスタンスです。テレビ番組ではトークやキャラクターが重視され、メンバーそれぞれのパーソナリティに共感することで「推し」が生まれてきました。

一方、韓国アイドルは、見た目やパフォーマンスといった「エンターテインメント性」が重視されているように感じます。

「Nizi Project」で応募者が殺到していたように、K-POPアイドルの歌やダンスのレベルの高さを知り、韓国にダンスを習いに行くような若者も少なくありません。

K-POP人気に伴い、今や多くの若者にとってアイドルとは高いエンターテインメント性で楽しませてくれる「憧れ」の存在と変わりつつあります。

そしてこの憧れが、ファッションやメイクへの羨望にもつながっているのでしょう。それに伴い、韓国メイクのカルチャー自体が10代から強く支持されているのです。

韓国コスメが若者から人気を集める理由 まとめ

以上をまとめると、韓国コスメが若者から人気を集める理由は以下3つと考えられます。

韓国コスメが若者から人気を集める3つの理由

  • 世界からみてもSNS先進国の韓国
  • 国内の競争環境が生んだコスパの高さ
  • 10代の「憧れ」を生み出す韓国カルチャー

若者のツボを見事に押さえる韓国コスメからは、日本の若者向けマーケティングにとっても多くのヒントがありましたね。

他にもヒット商品の裏側なども解説していますので、ぜひアイデアの参考にしてみて下さい。

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