ハレノヒ脱却でV字回復!ケンタッキーの500円ランチがヒットした理由

ヒット商品のマーケティング

クリスマスに食べるものの定番といえばケンタッキーを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
これまでクリスマスや正月など、“ハレノヒ”に需要が集中していたケンタッキーですが、最近では日常的な利用機会を増やして売上を大きく伸ばしています。

18年の経常利益は6.2億円と過去最低水準まで落ち込んでいたものの、21年3月期には50億円まで伸長。客数、売上ともに大きく成長を遂げました。

急回復の火付け役となったのが、ワンコインランチです。単品で注文するよりもお得になるセットを、ランチタイム(10~16時)限定で、500円で提供。これが大きくヒットし、日経MJが選ぶ2020年上期ヒット商品番付にも選出されました。当初は期間限定で行っていた施策でしたが現在は定番化しています。

日本ケンタッキー 500円ランチ

本記事では、なぜケンタッキーの500円ランチが成功したのか、そのヒットの理由をマーケティング観点から分析し、皆様のアイデアのヒントになるトピックスをお伝えします。

本記事を書いた人

リコッタ
リコッタ

大学でマーケティングを専攻し、花王や食べログでマーケティングに5年以上従事。多くの新製品や新規事業を立ち上げてきました。




ケンタッキーの500円ランチが成功した理由

ヒットの理由① 「高い」というイメージを逆にチャンスに

ケンタッキーでは毎年、繁忙期の12月に比べて4~7月の初夏の需要が半分近くまで落ち込んでおり、売上の多くを12月に稼いでいました。

そのため「日常的な利用」をいかに増やすかが、ケンタッキーが長年抱えてきた課題でした。過去には“ちょい飲み”需要の取り込みや、曜日限定でのお得セットなどの施策を行ってきましたが、いずれも効果はいまひとつだったようです。

そこでインターンシップに来た大学生にケンタッキーのイメージを聞いたところ、「価格が高い」という声が大きく上がったことが、ワンコインランチ投入のきっかけとなりました。

18年7月から何度か期間限定で販売していましたが、その好調ぶりから20年1月からレギュラーメニュー化しました。

実はこの500円ランチ、中身はかなり大盤振る舞いとなっています。例えば「S
ランチ」の中身である、オリジナルチキン(単品250円)、ビスケット(単品230円)、ポテトSサイズ(単品230円)、ドリンクMサイズ(単品240円)」を単品で購入した場合、合計950円(税込み)するセットが、500円で食べられるお得なセットとなっています。

巣ごもり需要によるデリバリー・テイクアウト需要も追い風となり、普段よりもお得に食べられるお得感と美味しさを兼ね備えた500円ランチは、新規客を日常的に呼び込むきっかけとなったのです。

「ケンタッキーは高い」というイメージを逆にチャンスに変えたことで、多くの消費者に驚きをもって受け入れられました。

ヒットの理由② オリジナルチキンのパック化でトライアルを促進

「500円ランチ」をきっかけに徐々にケンタッキーの日常利用が増える中、更なる施策でプラス効果を生んでいきました。その一つが期間限定で投入している「1000円パック」「1500円パック」の発売です。

2019年6月、ケンタッキーは創業49年を記念した「創業記念パック」を発売。その中身は1000円パックと1500円パックの2種類となっており、1000円パックはオリジナルチキン5ピースが入り、1500円パックはこれに加えてポテトBOXがついているシンプルなメニュー構成となっています。

画像:日本ケンタッキー・フライド・チキン プレスリリースより

そのわかりやすさとお得感からSNSでも話題となり、多くのファンを惹きつけました。

ランチで久しぶりにケンタッキーに来た顧客が、わかりやすいセットとお得さから「また買ってみよう」とリピートするきっかけにもなったのです。

さらに、ケンタッキーの看板メニューである「オリジナルチキン」の美味しさに改めて気づくというマーケティングにもなり、日常的な利用促進へとつながりました。

ヒットの理由③ 「今日ケンタッキーにしない?」へのキャッチコピー変更

500円ランチや1000円パックの投入に合わせて、広告のメインメッセージも大きく変更しました。それが「今日、ケンタッキーにしない?」というものです。

従来はファミリー層に向けて訴求してきましたが、幅広い層への訴求と日常使いのアピールを重視して完成させたのが「今日、ケンタッキーにしない?」のキャッチフレーズでした。

広告のメインメッセージを日常使いへのアピールに大きく変更

画像:日本ケンタッキー・フライド・チキン プレスリリースより

CMタレントには高畑充希を起用し、ユーザー目線で美味しそうに食べるシーンを中心に構成。メッセージロゴや音楽も統一し、これまでの需要期中心のCM投入ではなく年間を通じてメッセージを訴求。

高畑を起用したCM放映後は、SNS上で「今日、ケンタッキーにしない?」と言いながら、平日にケンタッキーのチキンを食べる様子を投稿する人が格段に増えたといいます。「日常使い」をアピールしたい同社の戦略は見事にはまったのです。

ケンタッキーの歴史から見ても大きな改革といえるCM戦略の転換が、500円ランチをフックとする日常的な利用に大きく貢献しました。

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ケンタッキー 500円ランチ成功の理由 まとめ

以上をまとめると、ケンタッキーの500円ランチが成功した理由は以下3点と考えられます。

 ケンタッキーの500円ランチが成功した3つの理由

  • 「高い」というイメージを逆にチャンスに
  • オリジナルチキンのパック化でトライアルを促進
  • 「今日ケンタッキーにしない?」へのキャッチコピー変更

他にもヒット商品の裏側なども解説していますので、ぜひアイデアの参考にしてみて下さいね。

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