インサイトとは?その意味と隠された消費者インサイトを見つける3つの方法

マーケティング実践

マーケティングにおいて最もよく使われる考え方の1つに「インサイト」があります。「消費者インサイト」とも呼ばれます。

インサイトを突くことで、消費者の認識や感情を大きく動かしたり、自社ブランドを選んでもらうことが可能となります。

今回は、知っておいて損はない「インサイト」の意味や事例、インサイトの見つけ方について、基本からわかりやすく解説していきます。

本記事を書いた人

リコッタ
リコッタ

大学でマーケティングを専攻し、花王や食べログでマーケティングに5年以上従事。多くの新製品や新規事業を立ち上げてきました。

「インサイト」とは?

マーケティングにおける「インサイト」とは、消費者も気づいていない、またはあえて表に出していない「心の中の真実」のことを指します。

例えば、ダイエット用のサプリメントを街頭で無料配布したのに、中々受け取ってもらえなかったとします。なぜだと考えられるでしょう?
実は「ダイエット用の商品を人前でもらうのは恥ずかしい」というインサイトが働いていたのです。

このように、インサイトは誰が見てもわかるものではないことが多く、逆にインサイトを把握できれば、消費者の意図を競合に先んじて叶えることができます

「インサイト」がマーケティングにおいて重要な理由

インサイトがマーケティングにおいて重要な理由は、すでに顕在化しているニーズは競合も把握しやすいため、それを基にしたマーケティングを行うと「よくあるもの」になってしまうことが多いからです。

例えば、衣料用洗剤で「洗浄力が高い洗剤です」と言われても、「洗浄力高いのはもう当たり前だよね…」と感じる人が多いと思います。「洗浄力の高さ」は、洗剤を選ぶ基準の上位なのですが、だからこそ訴求する企業が多く、差別化が難しくなってしまいます。

逆に、消費者や競合もまだ気づいていない「インサイト」を衝く商品やサービスを提供することで、自社ブランドを認知してもらえたり、選択してもらえる要因となるのです。

消費者インサイトを見つけて成功した事例

次に、消費者のインサイトを見つけ成功したマーケティング事例を3つ紹介していきます。

P&G『アリエール』

洗濯洗剤のアリエール公式サイト
アリエールが科学と自然の力でバイオサイエンスとして20年目の大改良!洗濯洗剤の【アリエール】公式サイトです。諦めていた衣類の汚れを科学の力で落とす、アリエールのコンセプトや洗浄力の秘密、製品ラインアップなどをご紹介しています。

当時まだ浸透していなかった「除菌」というインサイトを洗濯用洗剤に与えてリブランディングに成功した事例です。

発売当初、消費者調査で「洗濯に求めることは?」と尋ねて「除菌」と答える人はほとんどいない中で、「部屋干しの衣類からニオイがするのは実は菌がいるから」というインサイトを突いたのです。

このインサイトによって、「実は菌がいたからニオイが取れなかったのか!じゃあこの商品ならしっかりニオイを取ってくれそう!」と、アリエールの優位性を直感的に理解できるようになったのです。これにより、競合との差別化も図り、シェアを大きく伸ばしました。

キリンビール『本麒麟』

新ジャンルの発売から十数年経ち、手頃な中にも高品質なものを求めるニーズが高まっていたことに着目したのがキリンビールが発売した「本麒麟」です。

本麒麟は新ジャンルユーザーの「実はそう思っていた」インサイトを突くコンセプトを考えます。それは「本当はビールが飲みたい」というものです。

ビールらしい満足度を満たす「力強いコクと飲みごたえ」というコンセプトを立て、それを体現するものづくりを行い、歴史的な大ヒットとなりました。

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サントリー『伊右衛門』

サントリーが昨年改良発売した「伊右衛門」は、消費者アンケートには表れていない「淹れたての緑色」というインサイトを突き、改良に成功しました。

緑茶飲料は「味の良さ」はもはや当たり前の品質となっていた中で、伊右衛門は「淹れたての緑色」という新たな価値を提供することで、競合との圧倒的な差別化にも成功した好事例です。

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隠されたインサイトを見つける3つの方法

私もインサイト見つけたい!けど、どうすれば見つけられるの…?

そんな方へ、インサイトを見つける方法として、メーカーの商品開発でよく行われている3つの方法を紹介します。

① 消費者インタビュー

インサイトをつかむのに最も有効な手段は、「消費者を見る」ことです。そのためには、消費者の心理や行動を深堀する「インタビュー」は最もよく取られる手法です。

定量調査とは違い、選択肢を出さずにフリーアンサーで答えてもらうことができるので、心理や意識を探ることができます。

まずは「購入前」「購入時」「購入後」の行動を細かく分けて仮説を立てておきます(これをカスタマージャーニーといいます)。
それに沿ってインタビューを行い、予想していた回答と違うところがないかを読み解いていきます。

例えば、材料なしで作れることが売りのインスタント食品のインタビューで、共働き主婦が「材料を追加して作っている」ということがわかったとします。これは想定していたものとは異なる回答です。
理由を聞いてみると、「材料を加えたらインスタントってバレない」とのことでした。ここからわかったことは、「家族に手を抜いていると思われたくない」というインサイトです。

言葉での回答となるので、結果をどう読み解くかというところに分析者のセンスが必要な調査でもあります。しっかりと仮説を立てて、「違和感」に気づき、「なぜ」を繰り返すことが大切です。

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② 購買行動の観察

インタビューだけでなく、実際に買っているところを見るということもよく行われる方法です。

例えば、消費者が購入時に商品説明を予想以上に読み込んでいた場合、「しっかりと商品情報を理解して買いたい」というインサイトが見えるかもしれません。

購買時の行動を観察し、「なぜこんな行動をとったんだろう?」と考えることで、消費者インサイトが見えてくることがあります。

もし気になる行動があれば、対象者に質問してみるのもおすすめです。意外と快く話を聞いてくれる方が多いです。

③ ワークショップ

既に展開しているブランドについて考える場合には、ワークショップ形式で現状分析するのがおすすめです。

社員もユーザーの1人です。ブランドの担当者だけでなく、マーケターや研究開発、デザイナーなど、関係部門間で話し合うと、「実はそんな考えがあったんだ」とハッとさせられることが多くあります。

客観的事実を基に、「なぜこんなことを考えているのか?」など仮説を立てて議論することで、より深くインサイトについて議論することができます。

まとめ

「インサイト」はマーケティングにおいてとても重要な考え方です。インサイトを突くアイディアを見つけることができれば、消費者の認識や感情を大きく動かしたり、自社ブランドを選んでもらうことが可能になります。

ぜひ本記事を参考にしながら、消費者インサイトを見つけてみましょう。

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